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金融

中小企業の金融基礎知識 連載第1回

2016年8月3日

金融

中小企業の金融機関基礎知識

企業経営に欠かせない経済活動の一つに“資金調達”があります。資金調達の方法は、様々なものがありますが、中小企業を営む方々には、現実的にその手法が限られており、企業を大きくする為には金融機 関とのお付き合いは切り離せない状況となっております。
ところが、金融機関はこちらが望みどおりになかなか貸してくれないのが現状です。特に業績が赤字で、資金需要があるときに限って金融機関に冷たい対応をされた、そんな思いをされた経営者は多数い らっしゃると思われます。
よくある話で、「業績が黒字でないと融資を断られる」と思われている方がいらっしゃいますが、それは間違いです。赤字でもやり方次第で融資を受けることは可能ですし、黒字だからといって融資を受けられないケースだってあります。
まずは、金融機関についてある程度の理解をする事が必要だと思われます。我々の知りうる情報を掲 載していきますので、今後の銀行交渉のお役に立てていただければと思います。

1,金融機関の種類の話~どこと付き合うのが良いの?~

① 銀行
金融機関といえば、まずは銀行です。しかし、一概に銀行といってもメガバンク、地方銀行、信用金庫と様々です。よく「どこの金融機関とお付き合いをしたら良いのか」という相談を受けますが、これについては、一長一短あり、一概にどこが良いかとは言い切れません。まずは それぞれの性質を理解したうえでお付き合いをする金融機関を選定することです。ここでは 簡単にそれぞれのメリットデメリットをまとめました。

信用金庫:

メリット・地域密着型のため、小規模企業でも事業所に足を運んで頂き、ちょっとした資金需要にも答えてくれる。

デメリット ・金利が若干高め。(預金量などがメガや地銀に比べ少ない事から調達コスト高や小口融資対応が多いので事 務コストが嵩む為)
・プロパー融資は出にくい。(保証協会付融資がほとんど)

地方銀行:

メリット ・信金同様地域密着型のため、地元企業には非常に親身。信金よりは比較的預金量も豊富な分金利は安めである。

デメリット ・信金より幾分敷居は高い。
・信金同様、プロパー融資は出にくい。

メガバンク:

メリット ・資金量が豊富な為、大口且つ低金利融資の実行が可能

デメリット ・小規模企業を相手にしない傾向がある
・不調時に真っ先に融資を引き上げる傾向がある。

上記でまとめたものはほんの一部でありますが、スタートは信金、地銀とされるほうがベターで あります。メガバンクは、規模的に年商5億円を越えてこないと相手にされないケースがほとんどですが、1億円を越えるような大口融資だとやはりメガバンクのほうが対応してくれるケース はありますので、企業規模が大きくなるにつれ付き合っていく感じで良いのではないでしょうか。 仮に、それだけの規模となっていても信金、地銀とは最低1行でもお付き合いしていた方がよろしいのではないかと思われます。

② 政府系金融機関

銀行以外で事業資金の融資を取り扱っているところがあります。主なところで 日本政策金融公庫、商工組合中央金庫(商工中金)などがあります。

その中でも比較的小規模融資に対応している日本政策金融公庫の国民生活事業(以下、公庫と いいます)を紹介いたします。

公庫の特徴は、銀行のように預金口座がないという事です。銀行はある程度通帳の動きが覗け ますので(自社の口座のみですが)会社の業績をある程度は把握できます。しかし、公庫はそのすべがありません。その為なのか、銀行以上に信用第一でやっているようです。

よく、新規案件で公庫に紹介する際、公共料金の滞納はありませんか?と聞かれることがあり ます。これは、この方がキチンと返済期日に返済をしていただける方なのかを見極める為の参 考資料と聞きます。要するに期日の決まっているものを後回しにする人には信用が置けないた め融資を控えるという事を意味しています。逆に言うと、融資が実行された後にキチンと返済 期日を守っていれば、その後はその返済した行為そのものが企業の実績となり、次回の融資は 比較的スムーズに行えるという事になります。業績が多少悪化したとしても返済した分くらい は融資をしていただくケースは多々見受けられました。

公庫融資の最大のメリットは、保証協会を利用せず(利用する事もまれにありますが)公庫単
独の審査であるという事です。

・スピード面
銀行融資は中小企業の場合、保証協会付融資が一般的なため、銀行の審査のほかに保証協会の 審査も必要となります。ゆえに融資決定のスピードが必然的に遅くなります。公庫の場合はそ れが単独なため、融資決定のスピードが速いという事です。

・金利面
仮に銀行に提示された金利が公庫と同額であっても、銀行の場合はそれにプラス保証料を加味 すると調達金利は必然的に高くなります。公庫の場合は単独なため、提示された金利のみを支 払っていけばよいので実質的に金利は安くすみます。

小規模融資ならば、公庫活用は是非とも検討していただければと思いますが、限度枠が 4800 万円(支店決済 2000 万円)と上限が設けられている為、それ以上の額となるとやはり銀行融資と の併用をしていく必要はあります。

※ 金融機関とのお付き合いでお悩みの方がいらっしゃいましたら当社までお問い合わせ下さ
い。

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