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金融

中小企業の金融基礎知識 第12回

2017年7月4日

金融

金融機関から融資を受ける際、当然ですが資金使途を問われます。大きく分けると運転資金と設備資金となります。貸した資金を何に使うのか?これは貸す側にとって重要なポイントとなります。今回は設備資金を紹介します。

○設備資金

その名の通り、設備投資に必要な資金を言います。この資金については基本的に購入するものが明確である為、経営上必要なものであれば、比較的融資決定され易いものです。必要資金も見積書などで確認ができます。更に設備投資=長年に渡り効果を発揮するものなので、設備の内容や融資制度の内容にもよりますが、運転資金よりも返済期間を長く設定してもらえる事が多いです。どのくらいかというと工場機械の導入等ですと一般的に7~10年(但し耐用年数を超えない範囲)土地建物ですと金融機関との付き合いにもよりますが10~20年(機械同様耐用年数範囲内)とされています。

(1)本当に必要な設備投資であるのか

設備投資は資金使途が明確であるという意味では、金融機関の稟議は通りやすいのですが、果たしてその投資が御社の経営にとって必要なものなのかは審査のうえで重要なポイントとなります。例えば、販売店舗がお店を購入するという事については、具体的に現在の賃料というものが明確に出ているので、その賃料以上の返済になる場合は、それ以上にメリットを語れないと融資実行されないケースもあります。工場機械についても老朽化に伴う入替え、導入する事による生産効率のアップ等となかなか数字上であらわす事が難しいケースもありますが、それでも設備投資効果をキチンと説明できるようにしておきましょう。ただ資産を購入するという事だけではまず金融機関は貸しません。

(2)その価格は適正なのか

設備投資が御社にとって必要であるという事が金融機関に理解を得られたとして、果たしてその額が適正かどうかの判断もしてきます。融資額の水増しを狙って、知り合い業者に通常より高い見積書を作成してもらって融資の審査をしてもらうという話をまれに耳にしますが、常識の範囲を逸脱する額だと金融機関からはじかれます。更にそのような事が発覚すると、信用を一気に失いますので、審査のやり直しなどには応じてくれないと思われます。

(3)融資後に必ず実際に購入したかどうかの確認をする

設備投資の場合、実際に融資が実行された後、必ず購入した物の領収書などを金融機関に提示しなければなりません。予定されていた購入額と実際支払った購入額とに著しい差異が生じると最悪の場合、融資そのものを取り消され全額返済を求められる事もあるので注意が必要です。

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