株式会社横浜中央経理社会保険労務士法人

お問い合わせ : AM 9:00 〜 PM 5:00 [月〜金]

045-251-9911

中小企業お役立ち情報金融

  • 中小企業の金融基礎知識 連載第9回

    2015年4月7日

    金融

    9、赤字企業の資金調達

    今まで、金融機関の仕組みなどについて、説明してまいりましたが、この項は少し今までとは違い、赤字企業の資金調達について語っていきたいと思います。

    (1)赤字企業の資金調達のリスク

    企業実績が赤字であれば、大抵それに従い資金繰りが悪化していると思われます。

    ただ、業績悪化すると金融機関に避けられてしまう、その為に資金調達は難しくなります。それでも、業績悪化を隠し、金融機関に融資を申し込む、それで断られれば、ノンバンクの高金利融資に走る、こういった企業も少なくありません。

    これは、確実に後々の自社の資金繰りを悪化させる原因となります。

    確かに赤字脱却の為に資金調達は欠かせないものです。しかし、その調達の意味が「黒字転換の為の前向きな調達」なのか「赤字補填の為の後ろ向きの調達」なのかで意味合いは大きく変わってきます。

    大抵のケースは、後者であり、後々大変な思いをされている方は少なくありません。

    しかし、本来は前者の事由でなければいけません。その為にはどうすれば良いのでしょうか?

    (2)まずは自己分析!

    まずは赤字になった要因を分析することです。その要因は果たして一過性のものなのか経常的なものなのか、黒字転換する為にその赤字要因を切り捨てるべきかどうかなどを検証しましょう。そして要因がわかったら、その解決方法を探り、その為に資金が必要であるという結論に達してから、調達を実行すべきです。

    例えば、売上悪化が赤字要因であった場合、なぜ売上が伸びないのかを徹底的に分析し、人材不足なので人員を増やす必要性や誘致活動の為の広告の必要性などが結論として出た場合、その必要資金を積算して融資を申し込むといった感じです。

    (3)融資を受ける場合には返済していくことをイメージする事

    融資を受ける前に、借りたはいいけど返せるのかどうか、黒字転換はいつ頃なのか

    をきちんとイメージする必要があります。借りてから考えれば良いなどと思っていると確実に資金ショートを起こします。そのためには資金繰り予定表と短期の事業計画を策定し、検証することがとても大事になります。

    (4)赤字補填の為の資金繰り

    そうは言っても、黒字転換の道が明確に見えてこない・・・そんな方々もいらっしゃると思われます。それでも企業は日々営業活動を続けているので、何もしなければ資金ショートを起こしてしまうからどうしても赤字補填の資金調達に走るしかない、そう言う思いをされた方々も少なくありません。

    しかし、そうであっても待ってください。資金調達をせずとも資金繰りを改善する方法はあります。一番手っ取り早い方法は、銀行に対し返済条件の緩和をお願いすることです。これをリスケジュールと言います。これについては次項で詳しく説明いたします。

    後は、今までの経験の中から以下のような事を実行すると、資金繰り改善となります。

    ①売掛金回収を早める

    ②在庫の消化(不良化しそうなものは多少ディスカウントしてでも売り捌く)

    ③不要資産の売却

    ④経費のチェックをして無駄なものは省く

    ⑤保険(特に生命保険)の見直しをして不必要だったりするものは解約する

    ⑥会社の資金繰りだけでなく経営者個人の資金繰りも見直し、生活する上で

    最低限必要な額を把握しておく(いざというときは役員報酬減額する為に)

    ⑦買掛金等の支払を延ばす

    ⑧支払の優先順位を常に頭に入れておく

    (5)支払の優先順位

    資金繰り悪化は当然のように支払>収入というバランスから生じるものです。

    支払先には種類があって、仕入代金の支払から社員の給与、銀行返済など様々です。

    今ある現預金よりも支払額が多ければ当然何かしらの支払が滞ることになりますが、

    この優先順位を間違ってはいけません。

    それと、今日の明日資金が足らないといった状況は避けてください。その為には常に資金繰り表の作成をして、いつ資金が足らなくなるのかを事前に把握して早めに手を打つことが大事です。

    ※資金繰りにお困りであればいつでも当社に連絡ください。前述の支払の優先順位も含め、相談に乗ります。

  • リターンアシスト長期保証制度要綱について

    2015年3月20日

    金融

    神奈川県信用保証協会が、中小企業者の金融取引正常化を推進することを目的とする

    リターンアシスト長期保証制度を設けました。

    神奈川県保証協会に保証債務残高を有する中小企業者であって、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図る為の臨時措置に関する法律」等により、保証付融資の返済猶予や返済期間の延長などの返済条件を変更している借入について、経営改善計画の取り組みの一環として借換えることにより返済の継続を図ります。

    詳しいことは 神奈川県信用保証協会のホームページに記載されております。

    (下記のURLをクリックするとホームページに移動します)

    http://www.cgc-kanagawa.or.jp/guarantee/task/returnlong/

  • 日本政策金融公庫の金利変更

    2015年3月8日

    金融

    日本政策金融公庫の金利が、平成27年2月12日より変更となりましたので、ご紹介させていただきます。

    国民生活事業(主要利率一覧表)

    事業資金に関するご融資

    お使いみち、ご返済期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されます。 くわしくは下記の日本政策金融公庫のリンクをご覧下さい。

    http://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html

    中小企業事業(主要利率一覧表)

    1. ご融資に際しては、ご契約日時点での貸付利率が適用されます。 2.利率は、標準的な貸付利率です。適用利率は、信用リスク(担保の有無を含む。)等に応じて所定の利率が適用されます。

    詳しくは、下記の日本政策金融公庫のリンクをご覧ください。

    http://www.jfc.go.jp/n/rate/base.html

  • 日本政策金融公庫の金利変更について

    2015年3月4日

    金融

    日本政策金融公庫の金利が、平成27年2月12日より変更となりましたので、ご紹介させて いただきます。
    国民生活事業(主要利率一覧表)

    事業資金に関するご融資 お使いみち、ご返済期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されます。 くわし くは下記の日本政策金融公庫のリンクをご覧下さい。 http://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html

    中小企業事業(主要利率一覧表)

    1.ご融資に際しては、ご契約日時点での貸付利率が適用されます。 2.利率は、標準的な貸 付利率です。適用利率は、信用リスク(担保の有無を含む。)等に応じて所定の利率が適 用されます。
    詳しくは、下記の日本政策金融公庫のリンクをご覧ください。 http://www.jfc.go.jp/n/rate/base.html

  • 中小企業の金融基礎知識 連載第8回

    2015年3月3日

    金融

    8、格付けの決定方法~格付けアップを図ろう!~

    前項で述べたように、金融機関には独自の審査に基づいた「格付け」があります。では、この格付けはどのように決定されるのでしょうか?仕組みを理解したうえで自社にて取り組める事を行い、一つでも良いランクを目指しましょう。

    (1)定量要因

    格付けは決算ごとに「定性要因」と「定量要因」に分けて評価し決定されます。

    「定量要因」とは決算書の数字を分析した結果から算出されます。

    大きく分けると以下の通りです。※金融機関によってバラツキあります。あくまでも一般的なものを掲載しています。

    ○安全性 経営の堅実度

    自己資本比率 自己資本÷総資産 企業体力測定 多↑
    ギアリング比率 (短・長期借入+社債)÷自己資本 借入と自己資本の割合 少↑
    固定長期適合率 固定資産÷(固定負債+自己資本) 固定資産を長期資金で賄えているか 少↑
    流動比率 流動資産÷流動負債 即金化の算定 多↑

    ○収益性 経営の効率性

    経常利益率 経常利益÷当期売上高 対売上効率 多↑
    総資本経常利益率 経常利益÷総資産 資本運用効率 多↑
    黒字決算 何期連続黒字であるか 多↑

    ○成長性 事業の将来性

    経常利益増加率 (当期経常利益-前期経常利益)÷前期経常利益 規模拡大の測定 多↑
    自己資本・総資産額 財務の安全性 多↑
    売上高 企業の成長性 多↑

    ○返済能力 企業の返済能力

    債務償還年数 有利子負債÷償却前経常利益 返済必要年数 少↑
    インタレストカバレッジレシオ (営業利益+受取利息配当金)÷支払利息割引料 利息支払能力 多↑
    キャッシュフロー 経常利益+当期減価償却額 返済の確実性 多↑

    これらを上げるためには具体的な経営改善をする必要があります。その為の改善計画

    の仕方については後に述べることとします。

    (2)定性要因

    定性要因とは、市場動向や経営者の状況、経営状態、営業基盤や競合状態などその企業の持つ数字では表せないオリジナルの要因です。

    一般的には都市銀行はこの定性要因を見てくれないケースがあるようですが、地方銀行だと30%、信金クラスだと40%は加味してくれるようです。

    定性要因は一般的に以下のような項目について金融機関担当者の主観でポイント化されるようです。

    • 経営者の経営能力及び個人資産力
    • 後継者の有無
    • 社内環境の良好さ
    • 企業の競争力
    • 対銀行取引の良好さ
    • 財務管理の徹底
    • 経営計画の有無      など

    経営者は、常に上記の事を念頭に置くことが自社の格付けアップにも繋がるのです。

    経営者は常に前向きで、リーダーシップを発揮し、社員に対する思いを忘れず、自社の取扱い商材や商圏に対しアンテナを張り、良いものはいち早く取り入れ、悪いものは素早く排除する。そして、先見の目を持ち、困ってから金融機関に頼るのでなく、常に自社の状況を報告する。自社分析を常に行い、計画を策定し遂行する。これらは全て経営者に必要不可欠なスキルです。

  • 中小企業の金融基礎知識 連載第7回

    2015年2月3日

    金融

    7、金融機関から見た企業診断方法その 2~銀行格付けの話~

    前項で述べたとおり、金融機関は決算書を元に独自のスコアリングに基づき、当該企業の
    「格付け」を行っています。
    「何もわからないくせに、勝手に人の会社を評価するな」と怒られる方もいらっしゃるか と思われますが、この「格付け」によって、融資実行の有無や、保証協会案件かプロパーか、 金利設定などが決まってきます。ですので、少しでもこの格付の事を理解したうえで、格付 けを上げる為の対策を行う事をすべきだと思います。

    (1) 格付けの種類
    銀行格付けは 10 段階評価によっており、種類は大きく分けて 6 つあります

    1~6  正常先 :業況が順調で、かつ財務内容にも特別の問題がないと認められる

    債務超過解消年数=1 年以内、債務償還年数=10 年以内

    7   要注意先 :元本の返済もしくは利息の支払いが延滞している債務者

    経常利益が 2 年連続赤字

    債務超過解消年数=2~3 年

    債務償還年数=10~15 年

    8   要管理先: 利息の支払いが 3 ヶ月以上延滞している債務者

    債務超過解消年数=3~4 年

    債務償還年数=15~30 年

    ※ 金利の減免、利息の支払猶予、元本返済猶予、債権放棄等の取決 を行った債務者

    9   破綻懸念先:事業を継続しているが、実質的に債務超過の状態にあり、

    元本 及び利息の回収に重大な懸念がある。現在経営破綻の状況ではないが、

    経営難の状態であり、今後経営破綻に陥る可能性がある

    債務超過解消年数=5 年以上

    債務償還年数=30 年以上

    10   実質破綻先・破綻先

    再建の見通しがなく、実質的に経営破綻している。

    法的・形式的に経営破綻

    一般的に中小企業は金融機関との正常取引を行っているところは 6~7 の間に位置付け られている事が多いようです。

  • 中小企業の金融基礎知識 連載第6回

    2015年1月7日

    金融

    6、金融機関から見た企業診断方法その 1~金融機関はどこを見ているか~

    (1)決算書
    企業が金融機関から融資を受ける際、金融機関は決算書のどこを見ているのでしょうか?皆様は、そこが知りたいと思われます。正直言って、金融機関によって様々なので一概にどこと言い切ることは出来ませんが、今までの経験から一般的なポイントの説明を致します。

    ① 債務超過かどうか

    まずは、これを確認します。債務超過とは決算書における貸借対照表の「資本の部合計」又は「純資産の部」がマイナスになっていることです。言い換えると資産より 負債が多い事を言います。

    資産<負債という事であると単純に、現在清算してしまうと確実に借金が残る為、金融機関は相当懸念します。特に新規案件なんかは、取り上げてくれることすらしません。

    但し、中小企業の場合は、金融機関マニュアルに「役員等借入金」で返済期日の記載のない劣後債務については自己資本として勘案するという事が記載されています。

    後、社歴の古い会社にありがちですが、資産勘定に土地があり、その含み益がある場合もその資産を時価評価した上で判定してもらえます。

    ② 不良資産はあるかどうか

    貸借対照表上、債務超過でなくても資産項目に不良資産があるかどうかを見られます。
    不良資産と見られれば、その分は資産から除外され判定されます。

    不良資産と見られがちなものは以下の通りです。
    ・年商規模の割に売掛金が多い(売掛金額が平均月商の3 ヶ月以上)
    ・売掛金と買掛金のバランスが悪い
    ・在庫過多(業種や取扱い商材にもよりますが一般的には在庫回転率が 2 ヶ月以 上)
    ・役員貸付金(特別な事情を除き、あった時点で資産評価 0)
    ・仮払金 (同上)
    ・減価償却されていない有形固定資産(法定減価償却費を除いた額が評価額) 売掛金については、明細はもちろんの事、いつ入金されたのか事後説明が必要となりま
    す。
    在庫については年々増加し回転率が悪くなれば、業績不振によるデットストックの増 加や在庫を操作することにより利益を水増しする粉飾決算を疑ってきます。

    ③ 実質的に返済可能か

    決算書における損益計算書の項目から経常利益と減価償却費をプラスしたもの、こ れが返済財源とみなされます。

    これを「簡易キャッシュフロー」といいます。この額が借入金返済額を上回ってい るかどうかで企業の返済能力を見ます。

    聞いた話ですので何ともいえませんが、中小企業の場合はこれにプラス役員報酬額 も加えて判断する事もあるようです。

    ④ 債務償還年数

    現在の借入総額から上記で揚げた「簡易キャッシュフロー」を除すると借入金を何 年で返済できるのかが算定できます。これを債務償還年数と言います。

    これが一般的に 10 年以内であれば正常とみなされるようです。

    (2)格付け

    金融機関は、企業から決算書を預かると上記のポイントを含む企業審査を行い、 当該企業の格付け(債務者区分)を行います。これについては次項にて詳しく説 明します。

    (3)過去における返済実績や納税実績

    すでに金融機関とお付き合いのあるところについては過去の返済実績も企業 審査における重要なポイントです。期日を一日でも遅れてしまうと、いくら業績 が良くてもマイナス評価です。

    企業が支払うべき税金も同様です。融資の際には必ずと言ってよいほど納税 証明を求められます。法人税等はもちろんの事、消費税や源泉所得税の滞納が あると融資が受けられない可能性があります

PICK UP

検索

過去の記事