株式会社横浜中央経理社会保険労務士法人

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中小企業お役立ち情報税務

  • 〈金地金の譲渡による所得〉

    2023年11月2日

    税務

    今年8月末、金の国内小売価格が1グラム1万円を突破し、これを機に金製品を買い取ってもらったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    金地金を売ったときの所得は、原則、譲渡所得として、給与所得など他の所得と合わせて総合課税の対象となります。

    【譲渡所得以外の所得として課税される場合】

    その人が営利を目的として継続的に金地金の売買をしている場合の所得は、譲渡所得とはならず、その実態により事業所得または雑所得として総合課税の対象になります。

    なお、金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は金地金の現物の譲渡とは異なり、実態は金融取引に近いことから、金融類似商品の収益として一律20.315パーセント(所得税および復興所得税15.315パーセント、地方税5パーセント)の税率による源泉分離課税となります。

    この分離課税は、源泉徴収だけで課税が終了しますので、他の所得と合算して確定申告をすることはできません。

    また、扶養親族などに当てはまるかどうかを判定するときの所得金額からも除かれます。(注)平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に生ずる所得については、所得税とともに復興特別所得税が源泉徴収されます。

    【計算方法・計算式】

    この場合の所得金額の計算は、その金地金の所有期間に応じて次のとおりとなります。

    (1)所有期間が5年以内のもの(総合課税の短期譲渡所得)

    ・譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金地金の譲渡益

    ・{[金地金の譲渡益]+[その年の金地金以外の総合課税の譲渡益]}-譲渡所得の特別控除50万円=課税される譲渡所得の金額

    (2)所有期間が5年を超えるもの(総合課税の長期譲渡所得)

    ・譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金地金の譲渡益

    ・{[金地金の譲渡益]+[その年の金地金以外の総合課税の譲渡益]}-譲渡所得の特別控除50万円=譲渡所得の金額

    ・(譲渡所得の金額)× 1/2 = 課税される譲渡所得の金額

    (注)譲渡所得の特別控除の額は、その年の金地金の譲渡益とそれ以外の総合課税の譲渡益の合計額に対して50万円です。これらの譲渡益の合計額が50万円以下のときはその金額までしか控除できません。

    また、(1)と(2)の両方の譲渡益がある場合には、特別控除額は両方合せて50万円が限度で、(1)の譲渡益から先に控除します。

    No.3161 金地金の譲渡による所得|国税庁 (nta.go.jp)

  • <水道光熱費のインボイス対応について>

    2023年11月2日

    税務

    10月1日よりインボイス制度が開始されました。

    水道光熱費のインボイス交付等の対応については下記のとおりです。

    「水道料金」

    市町村等に支払う水道料金の仕入税額控除を適用するためには、市町村等から交付されたインボイスの保存が必要となります。交付の方法は各自治体により異なります。各自治体ホームページからご確認ください。

    例として、横浜市では「水道・下水道使用料等のお知らせ」(検針票)をインボイスとして交付するようです。納入通知書ではない点にご注意ください。(自治体によっては納入通知書も可)

    横浜市水道局のインボイス対応について

    「電気料金等」

    電気料金等につきましても水道料金と同様に各電力会社によって交付方法が異なります。書面での検針票や請求書による交付、webでの交付等電力会社によって対応方法が様々です。中にはweb会員サイトのみでの交付となり、会員サイトへの登録が必要となるケースもあるため、ご利用されている電力会社のホームページからインボイス制度への対応方法をご確認ください。

  • 【新しいNISA制度】

    2023年10月3日

    税務

    通常、金融商品から得られる利益に対して約20%の税金がかかりますが、その運用益が非課税になる投資制度「NISA」です。金融庁において実施した「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」のよりますと、2021年9月時点でNISA(一般・つみたて)口座数は1,700万を超え、30~70代が多く利用しています。

    2024年以降、NISAの抜本的拡充・恒久化が図られ、新しいNISAが導入されます。

    新しいNISAのポイント

    ①非課税保有期間の無期限化

    ②つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能

    ③年間投資枠の拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240 万円、合計最大年間360万円まで投資が可能。)

    ④非課税保有限度額は、全体で1,800万円。(成長投資枠は1,200万円。また、枠の再利用が可能。)

    金融庁HPより

    新しいNISA : 金融庁 (fsa.go.jp)

    NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について:金融庁 (fsa.go.jp)

    金融庁:はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック

  • 親会社などへ支払う配当源泉が10月から不要に

    2023年10月3日

    税務

    令和4年度税制改正により、親会社などへ支払う配当金に対する源泉徴収が令和5年10月1日から不要になります。
    配当金を受け取った親会社などは、法人税法上の規定により益金不算入となり、源泉徴収された税金が還付されることが多く、還付加算金が無駄であるとの会計検査院の指摘によるものです。

    仮に3月決算法人が、今年の6月と12月に改正に該当する配当等を支払う場合には、6月時は源泉徴収を行い、12月時は源泉徴収は行わない、ということになります。このように令和5年中の配当等の支払について源泉徴収の事務が異なる場合があります。支払う方も受け取る方もご注意ください。

    源泉所得税の改正のあらまし(国税庁)
    「令和4年度の税制改正により、令和5年10月1日以後適用されるもの」参照
    0023004-040.pdf (nta.go.jp)

  • 〈相続税におけるマンションの評価方法についての見直しの動き〉

    2023年9月4日

    税務

    相続税等(相続税・贈与税)における財産の価額は、相続税法第22条の規定により、「財産の取得の時における時価による」こととされていますが、マンションの「相続税評価額」については、「時価(市場売買価格)」との大きな乖離が生じているケースも確認されています。

    当ページ2022年5月9日掲載の記事にて紹介していますが、マンションの相続税をめぐり現行の路線価評価が著しく不適当と再評価した国税側が勝訴した最高裁判決事例も出ています。

    今後、令和6年1月1日以後の相続等又は贈与により取得した財産への適用に向け、見直し案の要旨についての有識者からの意見を踏まえ、国税庁において通達案を作成し、意見公募手続きを行う予定とのこと。まだ確定ではありませんが6月30日に示された見直し案をご紹介します。

    ①現行のマンションの評価方法

    相続等で取得した財産の時価(マンション(一室)の評価額)は、不動産鑑定価格や売却価格が通常不明であることから、次の(1)と(2)の合計額としている(通達)。

    (1)建物(区分所有建物)の価額=建物の固定資産税評価額×1.0

    (2)敷地(敷地利用権)の価額 =敷地全体の面積×共有持分×平米単価(路線価等)

    ②評価額が市場価格と乖離する主な要因

    (1)建物の評価額は、再建築価格をベースに算定されている。他方、市場価格はそれに加えて建物の総階数、マンション一室の所在階も考慮されているほか、評価額への築年数の反映が不十分だと、評価額が市場価格に比べて低くなるケースがある(建物の効用の反映が不十分)。

    (2)マンション一室を所有するための敷地利用権は、共有持分で按分した面積に平米単価を乗じて評価されるが、この面積は一般的に高層マンションほどより細分化され狭小となるため、このように敷地持分が狭小なケースは立地条件の良好な場所でも、評価額が市場価格に比べて低くなる(立地条件の反映が不十分)。

    ③評価方法の見直し概要

    (1)一戸建ての物件とのバランスも考慮して、相続税評価額が市場価格理論値(=市場価格)の60%未満となっているものについて、市場価格理論値の60%になるよう評価額を補正する。

    (2)評価水準(=相続税評価額÷市場価格理論値)60%~100%は補正しない。(現行の相続税評価額×1.0)

    (3)評価水準100%超のものは100%となるよう評価額を減額する。

    国税庁 令和5年6月30日報道発表資料 マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議について

  • <適格請求書発行事業者の登録申請について>

    2023年9月4日

    税務

    インボイス制度開始までいよいよ1ヶ月を切りました。

    制度が開始される令和5年10月1日から登録を受けようとする事業者は、9月30日までに登録申請を行う必要があります。登録申請が済んでいない方は、今月中に手続を行うようご注意ください。(30日は土曜日なので、窓口にて登録申請を行う場合は29日までとなります。)

    なお、令和5年9月30日までに提出した場合は、制度開始日である令和5年10月1日までに登録通知が届かなかった場合であっても、同日から登録を受けた者とみなされます。

    令和5年10月1日までに登録番号が通知されない場合の対応は下記リンクからご確認ください。

    国税庁:申請手続

  • 〈ETCクレジットカード利用時の適格請求書の保存について〉

    2023年8月2日

    税務

    高速料金、仕事で車を利用する方には身近に感じる経費の一つでしょう。この高速料金は適格請求書の交付義務が免除される取引には該当しないため、令和5年10月1日のインボイス制度導入後、消費税の仕入税額控除を受けるためには適格請求書の保存義務が生じます。一定規模以下の事業者は令和11年9月30日までの間は1万円未満の課税仕入れについて適格請求書の保存を要しない軽減措置が設けられていますが、保存する場合にはどのように保存すれば良いのでしょうか。

    【適格請求書の保存方法】

    ・現金、クレジットカード(ETCクレジットカードを除く)で支払う場合

    適格簡易請求書の交付は、料金所において紙での発行となります。

    ・ETCクレジットカードで支払う場合

    適格簡易請求書の交付は、ETC利用照会サービスにおいて電子での発行となります。

    (料金所で交付される利用証明書は、インボイス制度に対応していない従来の様式で発行されます)

    電子での発行は電子取引となるため、電子帳簿保存法による保存要件に従って電子データの保存を行う必要があります。詳細は下記の国税庁のパンフレットをご参照ください。

    【一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置】

    ・概要

    基準期間(※1)における課税売上高が1億円以下又は特定期間(※2)における課税売上高(※3)が5千万円以下である事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額(税込み)が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿(※4)のみの保存により、当該課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けることができる経過措置(少額特例)が設けられています。

    (※1)基準期間とは、個人事業者についてはその年の前々年、法人についてその事業年度の前々事業年度をいいます。

    (※2)特定期間とは、個人事業者についてはその年の前年1月1日から6月30日までの期間、法人についてはその事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間をいいます。

    (※3)特定期間における課税売上高については、納税義務の判定における場合と異なり、課税売上高に代えて給与支払額の合計額によることはできません。

    (※4)当該経過措置の適用に当たっては、帳簿に「経過措置(少額特例)の適用がある旨」を記載する必要はありません。

    (注1)新たに設立した法人における基準期間のない課税期間については、特定期間の課税売上高が5千万円超となった場合であっても、当該課税期間について、本経過措置の適用を受けることができます。

    (注2)適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れであっても、課税仕入れに係る支払対価の額(税込み)が1万円未満である場合には本経過措置の対象となります。

    ・帳簿の記載事項

    消費税等の税率は、標準税率(10%)と軽減税率(8%)の複数税率となっていますので、事業者は、消費税等の申告等を行うために、取引等を税率ごとに区分して記帳するなどの経理(区分経理)を行う必要があります。

    仕入税額控除の適用のために必要となる帳簿の記載事項は次のとおりです。これらの記載事項については、区分記載請求書等保存方式からの変更はありません。

    ・課税仕入れの相手方の氏名又は名称

    ・課税仕入れを行った年月日

    ・課税仕入れに係る資産又は役務の内容(軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)

    ・課税仕入れに係る支払対価の額

    NEXCO中日本ドライバーズサイト 適格請求書等保存方式(インボイス制度)開始に伴う高速道路料金の領収書等について

    ETC利用照会サービス (etc-meisai.jp)

    国税庁 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和5年4月改定) 問108(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)

    国税庁 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き2022(令和4年9月版)

    国税庁 電子帳簿保制度特設サイト

    電子取引 パンフレット(令和6年1月1日からの取扱いに関するもの)

    電子取引 パンフレット(令和5年12月31日までの取扱いに関するもの)

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