株式会社横浜中央経理社会保険労務士法人

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中小企業お役立ち情報税務

  • <「所得税基本通達」の一部改正案を見直し>

    2022年11月2日

    税務

    令和4年8月1日、国税庁がパブリックコメントにて「所得税基本通達」の一部改正案に対する意見を公募したところ、反対する意見が殺到しました。

    批判が殺到した改正案の内容としては、事業所得と雑所得の線引きを明確にするために、「収入金額が300万円を超えない場合については雑所得として取り扱う」というものでした。例として、会社員の給与所得以外(副業)での収入が300万円を超えない場合には、事業所得ではなく雑所得となるということです。

    副業での赤字を本業の給与所得と損益通算して節税を行うことができていた一方、今回の改正案によって雑所得に区分されると損益通算ができなくなります。

    これに対してパブリックコメントにて批判が殺到した結果、令和4年10月7日に国税庁が出した修正案では、「取引を記録した帳簿書類の保存がない場合には、雑所得として該当する」こととなり、取引を記録した帳簿書類を保存することによって原則として事業所得と認められることになりました。

    ※前提として、事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定します。

    雑所得の範囲の取り扱いに関する所得税基本通達の解説

    所得税基本通達新旧対照表

  • 〈家事消費等の総収入金額算入〉

    2022年10月4日

    税務

    家事消費(自家消費)とは、小売店等が自社の販売商品をプライベートで消費したり、飲食店等が自社の食材を使って社内でまかないを提供したりと、売上に繋げるべき在庫を事業とは関係のない事象で消費することを指します。このような在庫は棚卸をすることで期末在庫価額の減少が売上原価という費用になるわけですが、このままでは販売していない自家消費分も売上原価に含まれて必要以上に利益が圧縮されるため、たとえお金をもらっていなかったとしても自家消費分については販売し売り上げたものとして収入計上することとされています。

    (家事消費又は贈与等をした棚卸資産の価額)

    法第39条又は第40条《たな卸資産の贈与等の場合の総収入金額算入》に規定する消費又は贈与、遺贈若しくは譲渡の時における資産の価額に相当する金額は、その消費等をした資産がその消費等をした者の販売用の資産であるときは、当該消費等の時におけるその者の通常他に販売する価額により、その他の資産であるときは、当該消費等の時における通常売買される価額による。

    自家消費分の収入計上する金額は原則、通常の販売価格とされていますが、特例として売上原価の70%以上が収入計上されていれば差支えないとされています。

    (家事消費等の総収入金額算入の特例)

    事業を営む者が法第39条若しくは第40条に規定する棚卸資産を自己の家事のために消費した場合又は同条第1項第1号に規定する贈与若しくは遺贈をした場合において、当該棚卸資産の取得価額以上の金額をもってその備え付ける帳簿に所定の記載を行い、これを事業所得の金額の計算上総収入金額に算入しているときは、当該算入している金額が、39-1に定める価額に比し著しく低額(おおむね70%未満)でない限り、39-1にかかわらず、これを認める。

    国税庁HP

    法第39条《たな卸資産等の自家消費の場合の総収入金額算入》関係|国税庁 (nta.go.jp)

  • <インボイス制度Q&A>

    2022年10月4日

    税務

    国税庁より、インボイス制度についてお問い合わせの多いご質問が令和4年8月31日に掲載されました。

    Q1.  適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)の概要を教えてください。

    Q2.  適格請求書発行事業者の登録は、どのような手続きで行うのですか。

    Q3.  適格請求書発行事業者の登録は、どのような方法で通知されますか。

    Q4.  インボイス制度が始まる令和5年10月1日から登録を受けるためには、いつまでに登録申請書を提出すればよいですか。

    Q5.  免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合の取り扱いについて教えてください。また、この場合、いつから課税事業者となりますか。

    Q6.  免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの属する課税期間中に登録を受ける場合には、登録を受けた日から課税事業者になるとのことですが、その課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができますか。

    Q7.  登録申請書を提出してから登録の通知を受けるまでにどの程度の期間がかかりますか。

    Q8.  当社は、軽減税率対象品目の販売を行っていませんが、適格請求書発行事業者の登録を必ず受けなければなりませんか。

    Q9.  インボイス制度に関する登録申請書等の様式はどのように入手できますか。

    Q10. 適格請求書発行事業者の情報は、どのような方法で公表されますか。

    Q11. 当社は、事業者に対して飲食料品及び日用雑貨の卸売を行っています。適格請求書の記載事項を満たす請求書を取引先に交付したいと考えていますが、どのような対応が必要ですか。

    Q12. インボイス制度開始後の一定期間、免税事業者等からの仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置について教えてください。

    Q13. 当社は、事務所を賃借しており、口座振替により家賃を支払っています。不動産賃貸契約書は作成していますが、請求書や領収書の交付は受けていません。このような場合、請求書等の保存要件を満たすためにはどうすればよいですか。

    国税庁-お問い合わせの多いご質問-

  • 〈生命保険契約照会制度と相続税の非課税限度額〉

    2022年9月2日

    税務

    【生命保険契約照会制度】

    家族の死亡や認知判断能力の低下等によって生命保険契約に関する手がかりを失い、保険金等の請求を行うことが困難な場合には、有料にはなりますが日本で営業する生命保険会社全社が加盟している一般社団法人生命保険協会に、生命保険契約の有無を照会することができる制度「生命保険契約照会制度」があります。この制度をうまく活用できれば受け取れるはずの保険金の請求漏れを防ぐことができたり、相続税の申告の際に必要となる生命保険の確認の手間を省くことができると思います。

    ①生命保険契約照会制度が利用できる時とは

    生命保険契約の有無を確認する方(照会対象者)の状況が以下の場合

    (1)平時での死亡

    照会対象者がお亡くなりになり、生命保険契約の存在が不明な場合

    (2)平時での認知判断能力の低下

    照会対象者が認知症等により認知判断能力が低下し、生命保険契約の存在が不明な場合

    (3)災害時での死亡もしくは行方不明

    災害救助法が適用等された地域において被災され、家屋等の流出・焼失等により生命保険契約の存在が不明な場合

    ②調査対象となる生命保険契約の範囲

    一般社団法人生命保険協会が照会を受け付けた日現在、有効に継続している個人保険契約。

    ただし、財形保険契約および財形年金保険契約、支払が開始した年金保険契約、保険金等が据置きとなっている保険契約は対象から除かれます。

    ③利用手順

    (1)家族で調べる

    ・生命保険証券を探す

    ・生命保険会社から定期的に送付される通知物を探す

    ・預金通帳の保険料の口座振替履歴等を確認する

    など、まずはご家族で生命保険契約を調べ、制度を利用する必要があるか検討しましょう。

    (2)生命保険契約照会制度を利用する

    契約の存在が分からない場合は、一般社団法人生命保険協会に契約の有無の照会を行います。利用料は1照会当たり3,000円(税込)です。加えて、確認書類として「戸籍」や「協会所定の診断書」等の提出を求めるため、別途取得費用を負担して準備する必要があります。

    調査結果(生命保険契約の有無)は、一般社団法人生命保険協会にて取りまとめたうえ、照会者宛に回答します。

    (注)調査結果は生命保険契約の有無のみであり、生命保険契約の種類の調査や保険金等の請求の代行は行っていません。

    (3)保険会社へ連絡する

    契約内容の確認や保険金・給付金の請求については、契約している保険会社のコールセンターに直接連絡をします。その際に「協会の生命保険契約照会制度を利用した」旨を申し出ます。なお、保険契約の権利関係によっては回答できない(正当権利者からの連絡を求める)場合があります。

    【死亡保険金の相続税非課税限度額】

    被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部または一部を被相続人が負担していたものは相続税の課税対象となります。

    この死亡保険金の受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人を除く)である場合、全ての相続人が受け取った保険金の合計額が、次の算式によって計算した非課税限度額を超える時、その超える部分が相続税の課税対象になります。

    500万円×法定相続人の数=非課税限度額

    なお、相続人以外の人が取得した死亡保険金には非課税の適用はありません。

    (注1)法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄が無かったものとした場合の相続人の数をいいます。

    (注2)法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいる時は1人、実子がいない時は2人までとなります。

    また各相続人一人ひとりに課税される金額は、その相続人が受け取った生命保険金の金額から、非課税限度額を各人が受け取った生命保険金の金額で按分した金額を控除した金額となります。

    一般社団法人生命保険協会 生命保険契約照会制度のご案内

    生命保険協会 生命保険契約照会制度のご案内 | 生命保険協会 (seiho.or.jp)

    生命保険契約照会制度のチラシ

    seiho_B2_poster_t5

    国税庁 No,4114 相続税の課税対象になる死亡保険金

    No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁 (nta.go.jp)

  • <ダイレクト納付>

    2022年9月2日

    税務

    ダイレクト納付とは、納税者ご自身名義の預貯金口座から、即時又は指定した期日に口座引落しにより国税を電子納税する手続きです。

    利用する際には、事前に税務署へe-Taxの利用開始手続きを行った上、税務署又は利用される金融機関に専用の届出書を提出して頂くか、e-Taxにより届出書を提出する必要があります。

    【利用可能税目】

    ・全ての税目

    ただし、送信データにより利用できない税目があります。(電子納税の詳細

    【利用可能な金融機関】

    利用可能金融機関一覧

    ※農業協同組合及び漁業協同組合については、現在、ダイレクト納付の利用はできません。

    ※利用される金融機関によって利用可能限度額が異なります。「利用可能金融機関一覧」の「取扱可能金額桁数」でご確認ください。

    【事前準備】

    1.e-Taxの利用開始手続

    事前にe-Taxの利用開始手続を行います。

    2.納税用確認番号等の登録

    e-Taxの利用開始手続時からダイレクト納付の利用までに、「納税用確認番号及び納税用カナ氏名・名称の登録」(必須)及び「メールアドレスの登録」(推奨)を行います。

    3.ダイレクト納付利用届出書の提出

    ダイレクト納付を利用する日のおおむね1ヵ月前までに、「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を作成の上、納税地を所轄する税務署へ書面で提出を行います。

    個人納税者用記載要領

    法人納税者用記載要領

    ※個人の方のみオンラインでの提出も可能です。(オンライン提出の流れ

    4.ダイレクト納付利用可能のお知らせの確認

    税務署及び金融機関において所定の登録作業等が完了すると、e-Taxのメッセージボックスに登録完了メッセージが格納され、ダイレクト納付が利用可能となります。

    【納付手続】

    1.申告等データの作成・送信、処分通知書の受信

    「申告データ」、「納付情報データ」を作成して送信又は処分通知書等を受信します。

    2.ダイレクト納付の利用

    納税額のある「申告等データ」又は「納付情報データ」を送信した場合や、処分通知書等を受信した場合に、メッセージボックスに格納される「納税区分番号」を確認し、「今すぐに納付される方」又は「納付日を指定される方」のいずれかを選択します。

    3.納付状況の確認

    納付手続完了後、「ダイレクト納付完了通知」がメッセージボックスに格納されます。

    ダイレクト納付手続マニュアル

    e-Taxホームページ

    ダイレクト納付の手続き

  • 〈配偶者の税制措置〉

    2022年8月2日

    税務

    税制上、配偶者とは婚姻届を出した法律上婚姻関係にあることが求められています。そのため婚姻届を出していないいわゆる内縁関係にある者や同性カップルは該当しないことになります。そんな配偶者の税制措置の概要を紹介します。

    【所得税】

    ①配偶者控除

    納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。

    ②配偶者特別控除

    配偶者に48万円(令和元年分以前は38万円)を超える所得があるため配偶者控除が受けられない時でも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。

    【贈与税】

    ①夫婦の間で居住用不動産を贈与したときの配偶者控除

    婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円の他に最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。

    【相続税】

    ①相続人の範囲

    死亡した人の配偶者は常に相続人となります。

    なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。

    また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。

    ②配偶者の税額の軽減

    被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは、配偶者に相続税はかからないという制度です。

    (1)1億6,000万円

    (2)配偶者の法定相続分相当額

    国税庁 No.1191配偶者控除

    No.1191 配偶者控除|国税庁 (nta.go.jp)

    国税庁 No.1195配偶者特別控除

    No.1195 配偶者特別控除|国税庁 (nta.go.jp)

    国税庁 No.4452夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

    No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|国税庁 (nta.go.jp)

    国税庁 No.4132相続人の範囲と法定相続分

    No.4132 相続人の範囲と法定相続分|国税庁 (nta.go.jp)

    国税庁 No.4158配偶者の税額の軽減

    No.4158 配偶者の税額の軽減|国税庁 (nta.go.jp)

  • 非居住者である扶養親族に係る扶養控除の適用について

    2022年8月2日

    税務

    令和2年度の税制改正により、令和5年1月1日以後の非居住者である扶養親族に係る扶養控除に関して、下記の内容が所得税について適用されます。

    1.扶養控除の対象となる扶養親族の範囲から、年齢30歳以上70歳未満の非居住者であって次に掲げる者のいずれにも該当しないものが除外となります。

    ①留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者

    ②障害者

    ③扶養控除の適用を受けようとする居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者

    2. 給与等及び公的年金等に係る源泉徴収税額の計算において、その扶養親族が年齢30歳以上70歳未満の非居住者であって上記1の①に掲げる者に該当するものとして扶養控除の適用を受けようとする居住者は、その旨及びその該当事実を記載した「給与所得者の扶養控除等申告書」又は「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出するとともに、現行の親族関係書類に加えて、その居住者である扶養親族が上記1の①に掲げる者に「※該当する旨を証する書類」の提出等をしなければならないこととなります。

    ※留学ビザ等相当書類

    3. 給与等の年末調整において、その扶養親族が年齢30歳以上70歳未満の非居住者であって上記1の③に掲げる者に該当するものとして扶養控除の適用を受けようとする居住者は、その年の最後の給与等の支払を受ける日の前日までに、その旨及びその該当する事実を記載した「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出するとともに、その非居住者である親族が上記1の③に掲げる者に「※該当することを明らかにする書類」の提出等をしなければならないこととなります。

    ※38万円以上の送金関係書類

    非居住者である扶養親族が30歳以上70歳未満の場合の確認書類

    留学生・・・留学ビザ等相当書類

    38万円以上の送金を受けている者・・・38万円以上の送金関係書類

    0020004-075.pdf (nta.go.jp)

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